供託に関するQ&A
司法書士 田中 祥雄

 

Q6

私は家主ですが、先日、借家人に対し家賃の値上げ請求をしたところ、金額の話し合いがつかず、借家人が、従来の家賃と同額を供託した旨の通知が供託所からありました。
供託された家賃を受け取るためにはどうすればよいのですか。
また、供託金を受け取ってしまうと、家賃の値上げ請求を撤回したことになったりはしないでしょうか

 

A6 供託をされた人が、供託金を受け取ることを払渡請求といいますが、この場合は、供託所からの通知書(供託通知書)と、印鑑証明書(発行後3ケ月以内のもの)、そして実印をもって供託所へ行きます。そして、供託所に備え付けてある「供託金払渡請求書」に供託番号や払渡請求事由などを、書式に従って記入し、実印を捺印して窓口に提出します。
また、万一、被供託者が死亡している場合は、戸籍謄本や遺産分割協議書など、相続を証明する書類
も提出しなければなりません。
供託金は、原則として、日本銀行宛の記名式持参人払いの小切手の形で支払われます
 なお、家賃の増額請求に対する供託で、借家人との間で争いがあるときは、払渡請求事由を単に「供託受諾」としてしまうと、家主にとって不利になる場合もありますので、払渡請求書の「備考欄」に「供託受諾。但し、家賃一部弁済受領の留保をする」旨を記載すれば、家賃の値上げ請求を撤回したことにはなりません。

 

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