定期借地権に関するQ&A
弁護士 宮崎 祐二

 

Q24

定期借地権の登記が出来るということですが、登記費用もかなりかかるので、これを省略したいと思います。不都合なことがありますか。

 

A24

 借地借家法の施行に伴い、不動産登記法も一部改正され、定期借地権についての登記も認められることになりました。
しかし、この登記費用は結構かかるものです。
土地を売買などで所有権移転するのと比べると、その半分の登録免許税ですむとしても、場合によっては数百万円の費用を要することもあり、差し支えなければ登記はやめておこうという考えになりがちです。
現に借地人がそれなりの大会社の場合に、信頼しているということで登記しない地主もいます。
無論それで何ら問題がなければ私も異を唱えるつもりはありませんが、登記の効力を考えると登記を省略することには賛成出来ません。
定期借地権の登記の効力について学者の見解は分かれていますが、私はこれを対抗要件と考えているからです。
これはどういうことかと言いますと、元々の借地人と地主との間では、お互いに期間が満了すれば借地権が、消滅することは了解済みですが、その借地権を譲り受けた人などがいて第三者が発生した場合に、地主がその第三者との関係でも登記していないと、期間満了時に借地権消滅を主張できないことになるということです。
 つまり、定期借地権が普通借地権になってしまうことになりかねないので、やはり定期借地権の登記をしておくべきです。この場合の費用負担は、地主と借地人とで折半にするのが合理的です。