境界確認書とは?
土地家屋調査士 中西 通夫

 

Q1

都会でのサラリーマン生活もあと僅かになり、余生はのんびり家庭薬園を楽しもうと思っていたところ、友人の紹介で望んでいた土地が郊外で見つかりました。永年住み
なれた土地ですが、この土地の売却代金を購入資金に充てるため、不動産業者に売却を依頼したところ境界確認書を求められました。
土地の権利書だけでは売却できないのでしょうか。

 

A1 境界確認書が無くても売却はできますが、近年、土地は実測面積による売買が常識になっています。ところが今の登記制度ではほとんどの土地が、登記された地積(面積)と実測した地積(面積)が一致しません。(その要因の説明は別の機会とします)売買の仲介を依頼された不動産業者としては、あなたの所有地と隣接地の境界の状況について、買主に書面で説明する義務があり、境界確認書が保管されておれば、あなたと隣地所有者の間で境界が確認されていることがハッキリ分かり、今すぐにでも商談に着手できるのです。これが境界確認書を求める理由です。売却の時だけでなく、相続税を土地で納付する場合にも税務署から境界確認書を求められます。しかし、登記簿上の地積
と実測地積が食い違っているといちがいには言えません。土地区画整理事業が行われた地域では、登記簿上の地積と実測地積とは、ほとんど食い違いがありません。郊外地で行われている大規模宅地造成の分譲地も同様です。また、最近分筆された土地(枝番の土地)の地積も正確なものです。このような土地については境界確認書を求められることはまずありません。

 

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