不動産業者の
正しい選び方、つきあい方
宅地建物取引業 中西 雄一郎

 

 みなさんが不動産を購入する時・売却する時又は借りたり、貸したりする時、ほとんどの人が不動産業者に依頼する事になります。
今までに信頼できる取引業者がいる場合は、その業者に依頼することになるでしょうが、もし初めて不動産業者に依頼する場合にどのような点で注意したらよいかご説明します。

 不動産業者とは

まずはじめに、不動産業者といってもいろいろあつかう物件によって細分化されています。それをご説明します。

賃貸専門業者
 
地元不動産業者
賃貸専門誌を発行し、駅周辺の電柱等にチラシをつるし、集客している業者で、おもに賃貸マンション・アパート・貸家を専門にあつかう業者。
 
  賃貸物件・売買物件ともにあつかい、地域の情報に精通している業者。
大手不動産業者
 
開発業者(建て売り等)
全国各地に支店を持ち、おもに住宅の仲介を専門にあつかう業者。
 
  あまり自社では仲介をせず土地を購入し、建て売り住宅を供給する業者。
大手開発業者(マンション・大規模団地等)
 
競売専門業者
分譲マンション、大規模団地を造成し分譲する業者。通称ディベロッパー又は略してデベともいう。
 
  競売物件を購入し、複雑な権利関係を整理したのちに仲介業者を通じて一般顧客に販売する業者。
地上げ業者
 
走り屋
古いアパート等を購入し、入居者に立ち退いてもらい、更地にして開発業者に販売する業者。また、小さな土地を少しづつ買収して大きな土地にまとめてから売却する業者。
 
  正規の不動産業者というよりは、セミプロ的存在であり、自分の仕入れた情報(正確・不正確)を確かめることなく、多数の業者に情報を流す業者。
無免許業者
   
不動産売買の免許を持たず、債権物件、その他問題のある物件を専門にあつかう。業者というよりは、企業舎弟に近い。    

以上が大まかな不動産業者の紹介です。


一般の方が不動産を購入、売却する場合は、ほとんどが地元不動産業者か大手不動産業者を訪問する事になるでしょう。
では、地元不動産業者と大手業者の長所と短所を上げてみましょう。

地 元 業 者
 
大 手 業 者
◇長 所◇

地域に密着して営業しているので、地元の情報(不動産以外の事も含む)にくわしく、一般に知られていない物件の情報を持っている場合がある。
地域密着を基本としているので、会社の経営方針・評判等を近所の人から聞くことができる。
担当者が入れ替わることが少なく、生涯を通じてつきあう事ができる。
賃貸物件も扱っている場合が多いので、収益マンションのコンサルティングができるところがある。
 
◇長 所◇

全国的に支店がある場合が多いので、遠隔地等の売買も可能である。
トラブルが発生した場合は、専門の弁護士が対応し解決をはかる。
大手業者であるという顧客側の安心感が有る。
売顧客、買顧客ともいて、多数の顧客を持っている。
◇短 所◇

大手のように全国に支店が有るわけではないので、全国的な市場の流れ、また遠隔地の売買等については、不得意である。
トラブルが起こった場合は、その会社の範囲内でしか、責任を取ることができない。
 
◇短 所◇

支店のノルマが厳しい場合多少強引な営業を行う場合がある。(地元業者でも同様)
担当者の転勤があるので長期的なフォローがない場合がある。
地元地域と強く結ばれていないため、地域の特性を理解せず営業する場合が有る。(きのうまで東京にいた人が今日大阪の土地を案内するなど)

以上が地元業者と大手業者との長所と短所です。

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