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『土地活用の切り札』として、平成4年8月1日施行の新しい借地借家法によって定期借地権という制度が産声をあげました。
この制度は、一定の期間を定めて『土地』を賃貸借するものであり、地主さんと借地人ゐ双方が納得できる条件が整うことが肝要であって、この制度利用の双方のメリット、デメリットについては、弁護士ほか他の専門家にお任せすることにして、『土地』活用の条件の一つとも言える、土地の境界の確定について少し記してみたいと思います。
地表のある場所は誰かが所有しております。
それは私人、法人あるいは同、市、町、村が所有するのですが、瀬戸内海の小島を一人で所有しているとしても、公海という国有地に接しており、各人が所有する土地は必ず他人の所有する土地に切れ目なくつながっているという特性をもっているのです。
土地がつながっているということは、山田さんの所有地の終わりは田中さんの所有地の始まりであり、田中さんの所有地の終わりは道路で市有地の始まりでありといった具合に境があることになります。
このように山田さんの終わりと田中さんの始まりが接しているその接線がまさに土地の境界であります。
これは線であって広さを持たないのです。
連なっている土地の各部分が必ず誰かの所有地ということは、それぞれの土地が人為的に区画されたもので、この区画を図面にし、一区画ごとに番号をつけて、その土地を誰が所有しているかを明らかにしました。
この『地番』の始まりは明治4年の廃藩置県にさかのぼりますが、法律では、この『地番』と『地番』の境を土地の筆界と定めています。
定期借地権の対象となる土地と否とにかかわらず、自分の所有している土地の境界を明確にしておく必要があることに変わりはありません。
法律が定めている筆界は『地番』と『地番』の境でありますが、この境は残念ながら直接には目に見えないのです。
したがって、ご承知のとおり土地の境界をめぐるトラブルが多いのです。
トラブルの要因は、登記所に備え付けられている図面(公図)が不正確で信頼性を欠くことは事実ですが、登記面積と実際に測量した面積が違う、隣のブロック塀が自分の土地へ出ているなど、境界をめぐるトラブルは、数え上げればキリがありません。
少しややこしいのですが、土地の境界には二つの意味があり、一つは所有権の及ぶ範囲を示す「私的境界」を指し、一つは、公図上に示された地番毎の土地の区画線を示す「公的境界」であり、この公的境界は、公の制度として定められた線であるため移動させることはできず、私的境界と公的境界は理論上は異なっているのですが、境界を明らかにしておくための実務的に差異はありません。
境界は隣接地との境ですから、両土地の所有者が直接の利害関係者であり、お互いの所有権の及ぶ範囲を確認するとともに、善意をもって管理する義務があります。
この意味から、境界は相隣地所有者のためのものであります。
しかし、土地の境界は所有者のみのものとも言えないのです。
定期借地権による借地人が、借地の範囲(境界)をめぐって他の借地人とトラブルこともあり得ますし、借地地主の土地の隣の地主から、借地人の作ったブロック塀の越境を主張されることも起こり得るのです。
毎日顔を合わせる隣の人とは、いつまでも仲良くありたいものです。
そのためにも、お互いの土地の境界は明確にしておくことが大切でしょう。
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