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自己所有地を、定期借地権という制度を活用して宅地として供給する地主さんとしては、まえに記したとおり、線でつながっている他人の所有地との境界をハツキリさせるておくことが必要です。
隣接する土地が道路、潅漑用水路などであれば公共用財産の管理者である、建設省国道事務所、府県の土木事務所、市町村長に公共用地との境界確定を申請します。
行政庁は保存する資料により、現地で関係者との立会を行い、公共用地に隣接する民有地の所有権の及ぶ範囲について説明をして、関係者の合意があれば境界が確定します。
ただし、申請人との協議で同意があっても、隣接する土地所有者、あるいは、水路の対側の土地所有者の同意がなければ協議が整わないとして境界が確定しないことがあります。
隣接する土地の所有者に立ち会いを依頼して、現存する境界石、塀、溝などの構築物が誰の所有物なのかを確認しながら、例えば境界石が無ければ埋設し、この石を点として結ばれた線が境界であることをお互いに合意して境界を定めて行くのです。
このように、隣接する土地の所有者が合意によって定めた境界は、所有権の及ぶ範囲を確認するもので、「私的境界」であって、法律の定める「公的境界」ではないのですが、境界点を明らかにした図面を作り『境界協定書』あるいは『筆界確認書』に添付して、書面によってもお互いに境界を確認しておくことは、少なくとも、所有権の範囲に関する合意としては有効に成立するものであり、後日の紛争を回避することができるのです。
境界を定めて確認しておくことは、隣接する土地所有者になんら不利益を及ぼすものではありませんし、言い換えれば双方の義務でもあります。
われわれ土地家屋調査士は、関係資料を可能な限り収集し、常識的な境界の合意がなされるために、中立公正な立場で、相隣地所有者間で行われる境界の確認に立会し助言することを業務としておりますが、お互いのためとは言えども、依頼する側が誠意を示すことが何よりも肝要であるように思われます。
境界の確認が必要となった理由、
| 例えば、 |
長男の居宅を建てることになった。
事情があって土地の半分を売ることになった。
定期借地権の宅地として貸すことになった。 |
などを、立会を依頼するときにハッキリと言っておられる依頼側の地主さんに対して、相手側からの理不尽な話で合意に至らなかったケースはありません。
明治時代に地租(税金)を徴収するために土地を測量して図面をつくり、『地番』がつけられたことは先にも記しましたが、当時の測量技術からして、当初に登記された地積は今日では大凡のものであると考えて当然でしょう。
その後に、戦災復興事業のための測量、あるいは、都市整備のための区画整理事業による測量が行われましたが、『地番』がつけられた当時のままの土地は数多くあります。
殊に、当時、田畑で、その後に測量が行われていない土地は、そのほとんどが、土地登記簿の地積(面積)と実測した地積が相違しております。
自己所有地に隣接する公共用地と他人所有地との境界が定まったのですから、登記簿の地積と実測した地積を一致させておくことが必要です。
この登記手続きには、隣接土地所有者との間で境界について紛争の無いことを証明するため、境界を確認したことを証明する書面を提出しなけれはなりませんが、申請のとおり、現地に境界標が埋設され、測量に誤りがない限り、登記所は登記簿の地積を実測地積に書き換える処理・手続をおこないます。
近年、相続税を土地で納める人が増えておりますが、税務署は、隣接地境界を確認した書面があり、登記簿の地積と実測した地積が一致していなければ、土地での納税(物納)を認めてくれません。
売買するにしても、融資を受けるのにも、登記と実測の地積が一致していなければなりません。
地積更正の登記により、定期借地権の対象として供給する宅地の全体面積が確定しました。
あとは良好な宅地となるように区画割りをしなければなりません。
これは、すくなくとも10区画以上の宅地の供給を想定しており、当然のことながら、都市計画法、市町村の開発指導要綱などによって法的規制を受けることになります。
しかし、区画割で最も大切なことは、近隣と調和した一街区をつくることだと思います。
近隣宅地がある程度の広さをもっているのであれば、これに相応した区画割でなければなりません。
地主さんにとっても、将来、子孫に受け継がれるであろう土地の資産価値を維持させておくために、近隣との調和は不可欠でありましょう。
近隣との良好な関係を保つことは、借地人にとっても大切なことです。
われわれ一市民にとっては、土の温かみを感じるところに、わが家を建てて住むことが願望であり、それが、土地を買うのではなく、借りることにより資金調達が軽減できる、つまり、定期借地で実現するとなれば、人生これ以上の喜びはありません。
土地を貸す地主さんと借りる家主さんがともに協調して、定期借地権という制度が進展し、新しい町並みが生まれることを期待するものです。
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