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法務省では、登記情報をオンラインにより一般利用者に提供するシステムの検討がなされております。
この提供システムは、コンピュータに登録された登記情報を個人、法人を問わず利用者に有料で提供するシステムで、平成12年度の早期に一部の登記所を選定して実施し、その後、順次拡大して1〜1年半の間に全コンピュータ庁で実施する予定で進められております。
このシステムの利用者は、法務局の登記情報の提供窓口となる指定機関(公益法人)に登録の申し込みをして、IDカードとパスワードを発行してもらいます。
登録料は無料になるようです。指定機関(公益法人)の数は1つだけの予定です。 利用者はインターネットを利用して、指定機関のホームページにアクセスして、自分が欲しい登記情報を請求します。利用者の請求を受け付けた指定機関は、法務局(登記情報システム)に登記情報の発行を請求すると、法務局から指定機関に該当情報の送信
があり、指定機関から利用者に登記情報が届くことになります。 取得できる情報は、全部事項証明書と同様の内容ですが、登記官の認証文は付されません。地番、家屋番号で不動産を特定して請求することになります。
なお、送られてくる情報は、プリントアウトすることはできますが、ダウンロードはできないシステムになっています。 情報が送信されるまでの時間は、通常の情報量であれば、30秒から1分ぐらいですが、情報量が多い場合には4〜5分かかることもあります。なお、敷地権の登記がなされていないマンションの底地、あるいは、きわめて多数の共有者がいる場合や要役地としての地役権登記が多数ある場合など、データー量が一定量を超える物件は対象外となります。
検索機能として、無料で地番の一覧表から物件を検索することができますが、その他に、所有者の住所・氏名を検索する場合は有料となります。
対応時間は、基本的には登記所の開庁時間(午前8時30分から午後4時30分程度)として考えられていますが、運用上の問題があり、細部は現在検討中です。利用料金についても現在検討中とのことですが、認証文が付されないので登記事項要約書の500円と登記事項証明書の1000円の間ぐらいになるのではないかと想像されます。支払方法は、個人利用者はクレジットカードにより、法人は銀行口座からの引き落としとなります。
この登記情報システムは、インターネットを通じて情報を得るシステムであるため、個人利用者は各人がプロバイダーに加入して、インターネットが利用できる状態にしておくことが必要です。
特定された土地、建物の登記情報を確認する目的であば、直接登記所に足を運ばずに情報が得られるので、登記所窓口での待ち時間と混雑が回避されることになります。
私たち土地家屋調査士は、地図及び地図に準ずる図面、地積測量図、建物図面、閉鎖登記簿等を閲覧・調査した資料を解読し確認して、はじめて登記事項要約書・証明書の請求をしているので、このシステムによって業務内容が大きく変わることはないと思われます。
また、同時に検討されている登記情報の交換システムは、登記所窓口で他の登記所の管轄に属する登記情報を登記事項証明書として発行しようというシステムで、第一段階として札幌局内の2庁を選定して実施し、その後同局内の登記所で実施する一方、高松局内の登記所間でも実施し、全国交換ができるよう逐次拡大していく計画で検討が進められています。
いずれのシステムも情報化時代にふさわしい、より一層機能の充実した、便利で手数料の安いシステムにしていただきたいものです。 |
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