定期借家の法律Q&A
弁護士 宮崎 祐二

 

Q6

定期借家の期間の途中で、借家人から契約を解消することができますか。できる条件は何ですか

 

A6 これまでの普通の借家契約書では、一応の借家期間が定められていても、借家人からの中途解約を認める規定が殆ど入れられていました。けれども、今回「良質な賃貸住宅の促進に関する特別措置法」で導入された定期借家では、契約期間の家賃を確定させて不動産の証券化をはかることが一つのねらいとも言われています。
 そこで、定期借家契約では、家主が従来の普通借家のような中途解約を認めないことが予想されます。又仮に認めるとしても、相当高額の中途解約違約金を要求することでしょう。それは、一般的には、契約自由の原則の範囲内ということでそのような契約も有効として取り扱われると思います。けれども、小規模な居住用借家について、これを貫くことは、借家人に著しい不利益を与えかねません。
そこで、200u未満の居住用の定期借家に関しては、「転勤、療養、親族の介護その他のやむをえない事情により、借家人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、家主に解約の申入れをすることができ、この場合には、解約の申入れから1ヶ月で契約は終了する」としています。